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2009年9月の5件の記事

2009年9月26日 (土)

黒いアテナ

 岸田秀著『嘘だらけのヨーロッパ製世界史』(新書館)はマーティン・バナールの『黒いアテナ』とその批判または論評を紹介している。

 ① Martin Bernal,Black Athena:The afroasiatic Roots of Classical Civilization,volume Ⅰ:The Fabrication of Greece 1785-185,Rutgers University Press,1987.
 ② Martin Bernal,Black Athena:The Afroasitic Roots of Classical Civilization volume ⅱ: The Archaeological and Documentary Evidence, Rutgers University Press,1991(邦訳『黒いアテナ―古典文明のアフロ・アジア的ルーツ2』上・下巻 藤原書店2004-2005)

 上記二冊において、マーティン・バナールは①においてギリシャ文明はエジプト文明とフェニキア文明から派生した文明であると主張し、②においてその根拠を示している。

 一方、下記二冊はバナール説に対する批判または論評である。
 ③ Mary R. Lefkowitz & Guy MacLean Rogers,edited,:Black Athena Revisited,The University of North Carolina Press, 1996.
 ④ Jacques Berlinerblau, Heresy in the University:The Black Athena Controversy and the Responsibilities of American Intellectuals,Rutgers University Press,1999.

 佐藤優は『国家と神とマルクス』(角川文庫)において「ユダヤ・キリスト教的一神教、ギリシャ古典哲学、ローマの法体系の三つによってcorpus christianum(キリスト教的共同体)が成立していると書いている。近代ヨーロッパ精神と言うのは中世で成立した「コルプス・クリスチアヌム」の世俗化のプロセスであると書いている。
 私の場合、岸田秀と同意見でギリシャ・ローマと近代ヨーロッパ文明とは何の関係もないと思っている。近代ヨーロッパ文明はキリスト教との葛藤から出現した。
 ただし、佐藤優の西欧哲学についての薀蓄を読みつつ、私に刷り込まれている西欧思潮の他者性を実によく理解できた。つまるところキリスト教神学を無意識に無視した地平で西欧哲学を論じても見当違いな理解になってしまう。
 数学の普遍性と西洋音楽の普遍性は信じている。西洋音楽といっても一様には言えないが、私の好みはどちらかと言えばローマ帝国の辺境に位置した国々のものだ。とは言ってもイギリス系はあまり好きではないがね。笑ってしまうほどではない。時々笑ってしまうのは歌曲やオペラのアリアなどで、表現がひどく滑稽に感じるのだ。

 ただし、この稿を書き始めた理由は岸田秀が「夜眠れないとき、羊が一匹、羊が二匹と数える代わりに、レイテ海戦において栗田艦隊が謎の反転(実は敵前逃亡)をせずに、レイテ湾に集結していたアメリカ海軍の輸送船団に突入していたら、どれだけ戦果が上がってただろうかと考え実現しなかった戦闘場面を一つ一つ詳しく想像し始め、そのうち眠ってしまうことがある」と書きかつしかも栗田艦隊と栗田中将を弁護しているからだ。
 笠原和夫は『昭和の劇 映画脚本家笠原和夫』(太田出版)において「臆病風に吹かれただけ」と言っている。
 囮になった西村艦隊は全滅しているのだから、栗田艦隊にはレイテ湾に突入してもらいたかったものだ。そうすればレイテ島に上陸している20万マッカーサー軍は孤立した。
 敗戦時12歳だった岸田秀はいろいろ栗田弁護論を繰り出すが、その感情的なものに興味を覚える。まあわからないがね。

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2009年9月20日 (日)

インド洋給油

 海上自衛隊のインド洋における給油活動は続けたほうがよい。理由は簡単で、アメリカはアフガン戦争では勝てない。同盟国として足を引っ張る形になるのはよくない。
 ネオコンはクレージーだったのだ。
 オバマ政権はあきらかに中国重視政策をとっている一方鳩山新政権に対して少し神経質になっている。イラクやアフガンは、リアルポリテックスの問題ではなく、アメリカという国の病理的プライドの問題だ。
 まあこうゆう事を言い出すのは私がタリバンよりアメリカの方を好ましく感じている感情的好悪に由来することを否定はしないが。

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2009年9月16日 (水)

鳩山内閣発足

 鳩山は人事はうまいと思った。安倍や麻生と比べて数倍優れている。まあ「美チィ国」とか言っていた安倍やお猪口の器量と言われる麻生よりは人物は相当上だ。
 無論、期待している。しかし、危惧もある。郵政民営化の時計の針をまるっきり逆戻しにするのかね?それは間違いだ。微調整の必要はある。官営だった頃からの悪しき経営を払拭するのはなみたいていのことではない。
 かんぽの宿問題で変なのは、確かに収益還元法で現在価値を計算するとああなるが、単純に不動産として売却額を計算すると、あれじゃ安すぎてお話にならない。しかも、買い手がオリックスだ。

 真の問題は、民主党に行財政改革ができるのかという点だ。奇怪な特殊法人を減らせるか、まずお手並み拝見である。手本は小泉方式だ。とりあえず劇場型でやってみればよい。私は民主党内部に改革反対派がいるんじゃないかとの疑いを捨てきれないが。

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2009年9月 6日 (日)

社会保険一家

 社会保険一家という言葉があるそうだ。年金や健康保険料を原資にして事業を営む公益法人などから収入を得ている役人集団のことだ。おなじような意味で国交省の道路一家など、各省それぞれあるとのことだ。
 民主政権はこのような官僚による社会保険料等の流用を禁止することができるのだろうか?

 退院早々、川添から電話が入った。イヤな奴からの電話だなと思ったら案の定不愉快な内容だった。まあ私が川添と知り合いにならなければ私の友人は誰一人川添とのつき合いは始まっていない。その経緯は詳しく書かないが、川添は私の無意識の交友関係に半ば強引に入り込んできた。その理由を私が疑わない訳がないわな。

 ステロイドを大量に服用していると脳がばらんばらんに活性化する。一例としては睡眠障害が出現する。睡眠導入剤は好きではないが、飲まなければ極端な話、一日中覚醒しているみたいなことになったので、この三年以上飲んでいる。眠剤はステロイドの服用量にスライドさせて増減し、最終的には止めるつもりでいたが、ステロイドが切れない。(^^;
 なかには一切眠剤を飲まずに頑張る患者も居る。しかし、自分は飲んで少しでも睡眠と覚醒のリズムを作ったほうがいいなと感じた。なにしろ病院で夜眠れなくなったので昼眠たくなるかと思っていたら昼もぎんぎらで、次の夜も眠れないのだ。それが二、三日続いたところでこれはまずいと思った。

 三年前、退院した後インターネット碁を打った。入院中とステロイドの服用量は変わらず、中国人相手に持ち時間五分の超早碁を圧勝した。こうゆう超早碁を挑んでくる中国人は、今はどうか知らぬが、当時汚い番外作戦を使う人物が多かった。五分以上回線が切れた状態が続けば負けになる規定のところ、どんな手を使うのか?五分寸前まで回線を切断しておいて再接続してくるのだ。
 その手を使って来るかな?と思ったら、相手も汚い手を使ってまで考える気にもならないような内容的にぼろぼろ状態の碁だったので意外にあっさり投了した。
 しかし、私の方が反省した。こうゆう事をしていては腎臓に悪いと思ったのだ。碁という主題があるからある程度統一状態を保ってはいるものの、脳が活性化し過ぎだと思ったのだ。だいたい年寄は早碁が苦手になってくるものなのだ。これは過剰にストレスがかかっていると思った。
 爾来、ネット碁はやめた。その後もメール碁は何回か打ったのだが、どうやら一日二、三手しか打たないメール碁も心身ともに少しストレス過剰になっているようなのだ。二人相手に四局同時進行していた。
 メール碁の相手のI氏もいなくなったし諦めていたが、K氏が実力者だったことを思い出して電話してみた。残念ながらインターネットに接続していなかった。

 本日で夏競馬も終わり。短いエルニーニョの夏だった。

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2009年9月 1日 (火)

政権交代

 先月の19日まで約一月入院していた。ステロイドの服用量も増えて出力優位脳になり、このブログの投稿頻度も増すのが通例なのだが、今回は多少落込み気分である。まあしかし、脳がとりとめなく活性化していることに違いはない。

 もともと小選挙区論者だったが、今回の民主党圧勝劇には、本当に小選挙区で良かったのかねーと少し途惑いがある。
 まあ救いは鳩山由紀夫の人相が若い頃に比べて非常によくなっている点だ。私の観相術などあてにはならないが、佐藤栄作の総理以前以後ほどではないにしても、それに近いものがある。佐藤栄作の総理以前は相当な悪相だったが、総理になってから日々改善の一途をたどった。
 鳩山の場合、もともと栄作ほど悪相ではなかった、現時点では最盛期の栄作以上のよい人相だ。

 民主政権のガンは衆目の一致するところ小沢一郎である。最大の功労者がガンになってしまうのは皮肉といえば皮肉だ。民主安定政権のためには来年の参院選挙に勝たねばならない。時間は短く、有権者は移り気だ。手練手管で勝てる程選挙は甘くない。自民党が今回の総選挙に東国原宮崎県知事を出馬させようとしたような茶番は起きないだろうが、自己崩壊の芽はやたらありそうだ。

 麻生太郎は嫌いじゃなかったけどね、この人は説教爺だった。とりわけこの人から金に関する説教は聴きたくはなかった。「金がなかったオレも結婚をためらう」などとは、おそらくは人生の大部分を自分が直接金を払って買い物をしたことがないのではないかとの印象を受ける人物からは聞きたくない台詞だ。
 鳩山も150円のコロッケを買って食べるパフォーマンスで850円の釣りを貰わなかったのだから(忘れたのか?)、金銭感覚は五十歩百歩だが、少なくとも説教爺ではないわな。

 ブログを止めたわけではない意思表示として書いた。近況は毎日毎日音楽浸りの時間を過ごしている。人生でこれだけ日々音楽に浸っているのは初めてだ。ながら族としては、この程度の時間は生活の中を音楽は流れていたが、本当に聞いている時間が長いのはこの一年程が初めてだ。
 ネフローゼになってからクラシックと60年代ジャズを用心しながら聞いていたが、今回のネフローゼ再発直前は、なんだ曲の好き嫌いはあっても70年代ロックもJ-POPも全部いけるじゃないかと気がついたので、CDをケースから出して、CD/DVDファイルという便利な収納ケースにまとめてCDラジオとともに60枚ほど病院へ持って行った。
 病院は残念ながらNHKFMの入りは悪く、NORTHWAVE優位だった。しかし、NORTHWAVEが混在しているなと思ったら斜め向かいの人のテレビのイヤーホーンから洩れる音だったりするわけで我ながらS/N比に対して寛容になって退院してきた。
 それに病院というところは、やたら業務用電波が乱れ飛んでいて、それを私の安物CDラジオが全部拾うのだ。これは現在の10倍程度の価格のCDラジオだったらシールドとか張ってあるのかね?
 病院のオーディオ環境で唯一良かったのは途中から使ってみた、病院のコンセントだ。さすがに電圧は安定していると思った。まあそれを言うほどのマニアではないし単なる勘違いかもしれないが・・・

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